適応障害
適応障害
人間関係や仕事上の問題、家庭の問題などでストレスを感じると、誰でも多かれ少なかれこころや体に変化が生じます。このような変化をストレス反応と呼びます。この反応が強く、日常生活に支障をきたす場合には、治療が必要となる場合があります。
ストレスの原因は家庭内での問題、仕事での挫折、恋愛関係や友人関係のトラブルなど、様々です。必ずしもひとつではなく、複数のストレスが重なることもあります。また、どのようなことがストレスとなるかも人それぞれです。
通常人はストレスを感じたときにその出来事に適応しようと試みます。しかしそれがうまくいかず、ストレスとなる出来事が生じてから1ヶ月以内に気分が落ち込んだり、不安を感じたり、眠れなくなったりして、日常生活がままならなくなることがあります。これが適応障害です。症状はうつ病と似ていますが、うつ病との大きな違いは原因となるストレスから解放されると症状が改善する点です。
ストレスに関係した病気には他に、心的外傷(トラウマ)となるような生命や安全を脅かされる出来事(例えば災害や事故、暴力など)を経験した直後から数日以内に起こる急性ストレス障害や、その出来事から数週間から数ヶ月後に発症するフラッシュバックなどを特徴とする心的外傷後ストレス障害(PTSD)などがあります。
誰にも言えない、あるいは話したくないようなつらい経験をして、心穏やかに毎日を過ごせなくなってしまった方。どこにも相談できずに一人で我慢していらっしゃる方。それはあなたの性格が弱いとか、わがままだとかいうことではありません。さまざまな原因で、心のバランスが崩れているのです。一人で悩まず、一度ご相談にいらしてください。
適応障害の原因は前述のとおり、ストレスです。ご自身で自覚されているストレス因以外にも原因がある可能性があるため、診察では症状や経過を詳しくお聞きします。
適応障害の治療はまずその原因となっているストレスを取り除く、もしくはストレスの原因から距離をとることが重要です。例えば、職場におけるストレスの場合には一旦仕事を休んで職場から離れる、友人関係や恋愛関係がうまくいかない場合にはその相手と距離をおくなど方法があります。
しかしながら、ストレス因から簡単には離れられない場合もあるでしょう。その場合も、精神療法によりストレスへの対処方法や気分のコントロールを図る方法などを考えていきます。
必要な場合は気分の落ち込み、不安、不眠などの症状に対して薬剤の処方を検討することもあります。